エンジン分解

456GT-余市1986号−エンジン分解
456GT-余市1986号−エンジン分解

インフルエンザ患者の看病の合間を縫って、エンジンを降ろし、ヘッドを分解しました.

まさか、駐車場で整備をしている間にこのような光景に出会うとは想像もしませんでした.が、順調に分解作業を行いました.

流石フェラーリ、FR-V12だけあって、使っている素材が良いようです.

エキマニのナットも軽く回り、焼き付きは全くありません.

唯一一本だけヘッドのスタッドボルトがナット部分ではなく、根元から回ってしまったのが計算外だっただけです.

色々な部品が綺麗に装着されており、きちんと「取り外す時」のことを考慮した設計をされています.

ヘッドを外して、ピストン頂部の高さを目視しましたが、やはり4番ピストンだけミリ単位で高さが低いようです.

今回は時間切れでしたが、次回にオイルパンを取り外して、裏側からも点検を行う予定です.

 

今回新調したエンジンホイストとエンジンハンガー、それにエンジンスタンドを砂利駐車場で使用です.

エキマニも素直に外れます.使っている素材が良いのと、取り外すことを考慮に入れた設計がされています.

外れたヘッドです.インマニが無いとビックリするくらいストレートポートです.そのうえリューター研磨もしてあります.

バルブ周辺には異常は無さそうですが、例によってプーリーのアイマーク関係が滅茶苦茶でヘッドカバーを開けないと正しいTDCが出せません.


ブロック側です.色々な部品の整理具合が国産には真似出来ない美的センスで纏められています.その上、外しやすい.

流石です.

4番ピストンの高さが他のピストンに比べて明かに低いです.たぶんコンロッドが曲がっています.

シリンダー内壁は傷も無く状態は良さそうです.

シリンダーの反対側です.やはり傷は無いようです.

 


456GT-ブロック
456GT-ブロック

エンジン分解完了しました.

方バンクのみでいけるかと思いましたが、オイルポンプやサンプを取り外すには両方のヘッドを取り外さなければならないことが判明し、全バラになりました. フロントカバーとリアカバーも取り外しました(初馬号の時に製作した特注工具が活躍してくれました) 分解してコンロッドを確認しました.

やはり、助手席側4番コンロッドが曲がっています.

4番と他のコンロッドを見比べると、小端部(ピストン側)が片側に偏って付いており、ピストンが斜めになっているのが確認できます.

他のコンロッドも確認しましたが、大丈夫そうです.

4番コンロッドが曲がった為にピストンとの距離が短くなり、クランクウェイトに接触しています.

接触は軽微な為、ピストンは再使用可能ではないかと考えています.

今回の分解でわかった事ですが、クランクのオイル飛散による抵抗を減らす為のバッフルとオイルパン、ドライサンプの経路とスカベンジングポンプケースが一体鋳造されており、大きな構造体を形成しています.

この構造体の底部に必要最低限の穴を開けて、フタがしてある構成とし、部品点数の削減と軽量化、それに剛性の向上に寄与する設計としているようです.

曲がっている4番コンロッド.ピストンピンの部分が片側に寄っています.

他のコンロッド.ピストンピンの中央にコンロッドがあります.


ピストン/コンロッドを抜きました.

コンロッドは曲がり、ピストンにはクランクとの接触痕跡が付いています.