配線からの発煙と電装系の修復

納車して間もなく、「エアコンが利かなくなった」と電話があり、高速に乗る前とのことだったので、引き返してもらい、室内を点検するとヒューズボード付近から発煙。

電源を切り、入院。

後日チェックすると、電動ファンに繋がる配線が全長にわたって溶けています。

ヒューズボードのコネクター部分も焦げています。

また、電動ファンのモーター部分も摩滅がすすみ寿命に達していました。

オーナーと相談の結果、全てを修復することとしました。

ヒューズボードは全て分解修復し、配線も車体から引き抜き、分解して、溶けた配線を除外し、新たに配線を引き直し、電動ファンも純正品が生産終了していましたので、世界中のサプライヤーとコンタクトし、純正と同等性能の互換品を入手し、交換しました。

これにより、ヒューズボード、配線、電動ファンの全てを修復し、完全に動作する修理が完成しました。

エアコン本体修理

エアコン吹き出し口から異音がして停止したと連絡を受け、チェックの結果ブロアモーター寿命と診断。
分解したところ
  1. ブロアモーター寿命
  2. 筐体割れ
  3. エバポレータ錆びまくり
  4. 内外気切り替えフラップ折損
  5. ヒーターコアホース接続部品亀裂
となりました。
ブロアモーターは単体での供給は無いので、互換性のあるモーターを新品調達
筐体はバラバラになったものを接着剤で復元しカーボンで補強
フラップも折れた軸を金属に変更
エバポレータはアメリカで作っているメーカーがあったので発注
(不良品送ってよこしたので、画像をメールして良品を再送付させた)
問題はヒーターコアのホース接続部品で、ここだけフェラーリで作ったらしく物凄く無理な設計がされており、作ろうとすると3Dプリントか射出成形をしないと製造できない形状をしている。
なんとか対応する部品を設計するも、外注工場が製造を嫌がる。
なんとか機能するようにして完成となりました。